「すいません、24時間コンシェルジュの待田純です。あの、私が身代わりになるんで、士郎君返してもらえませんか?」
「お前バカか? そんなことして何の得があるんだ、こっちに。」
「じゃぁ、外で話しませんか? ほら、トイレその部屋ないですし、もうそろそろ我慢出来なくなるんじゃないですか?」
「心配するな、さっき窓からしたから。とにかく、アユミがオレと一緒に帰るって約束するまでは、オレは絶対この部屋から出ないからな!」
「そんなこといわないで、出て来て話合いましょう。でないと、警察を呼ばなくっちゃならなくなりますよ」
「うるさいっ! そんなことをしたら・・・」
「あのう・・・雨の日はセールやってるんで、スーパーいってたらメールチェックするの忘れてて。」
「愛クン、遅いよぉ・・・って、あれなんで天野さんも一緒に? 新しいアパート借りたって聞きましたけど。」
「何でも、大切なものを置き忘れたっていうか、処分し忘れたものがあるらしくて・・・。」
「あの、天野さん。申し訳ないんですけど、見ての通りいま取り込み中なんで、後にしてもらえませんか?」
「迷惑なことはわかってるんや。けど、こっちも一刻を争うっちゅうんか、急がんと取り返しのつかんことになるっちゅうか・・・。」
「どんな大切なことか知りませんけど、こっちは子供の命がかかってるんですって。」
「そやから、ワシの忘れ物をはやく返してもろてやな・・・」
「外で何をごちゃごちゃいってるんだ! まさか警察を呼んだのか!? こうなったら、この宿に石油を撒いて火を点けてやるっ!」
ガラッ☆
「それや、そのポリタンクがワシの・・・」
「キャー! それだけは絶対止めて〜っ!!」