この秋にドングリを送った会津のくまんちさんから、ドングリ拾いへのサンキューメッセージとポストカードが届きました。
この度はたくさんのドングリを送ってくださりありがとうございました。
無事、12月6日をもちまして全てのドングリを山へ運んで参りました。
今年はたくさんのクマ達が里へ降りてきてそのほとんどが殺されてしまいました。
子グマも親子グマも無差別です。
体脂肪ゼロパーセントのクマもいたそうです。
山には食べ物がまったくなく、下を向いて歩いてもドングリを見つけることができません。
そんな中、皆様方が送ってくださったドングリは動物達にとって唯一の救いであり、運よくそれを見つけてくれたクマは無事に冬眠することができると思います。
ドングリを食べてくれた形跡のある箇所には5〜6回追加給餌を行ないました。
近くには置き土産のフンも確認できました。
エサ不足の年は今後もやってくると思います。その度に出てきたクマを殺し続けていればいつか本当に絶滅させてしまいます。まして命を簡単に奪ってしまうことは心を持った人間であるならば決してしてはならぬことだと思うのです。
無関心、無感動はとても恐ろしいことです。
困っている人や動物がいれば助ける、飢えている人や動物がいれば手を差し伸べる、それが人間の本来あるべき姿のように思います。
人間に心があるように動物にも心はあります。
皆様方の優しさはきっと森の動物達に届いていると思います。
これからの未来、全てのいきものに対して優しい世の中になってくれることを願っています。
本当に本当にありがとうございました。
追伸
くまんちの仲間「ふくまつ」のポストカード同封させて頂きました。
お使い頂けるとありがたいです。
くまんちスタッフ一同
一回分しか送らなかった我が家。
本当に申し訳ありませんでした。
山で飢えている生き物がいる、ということをつい忘れてしまい、旅行にいけない我が身を時々恨んだりしていました。
テレビをつければニュースでは、クマが助けられている、というイメージばかり流れていましたが、実際は数えきれないクマ達が、ただ恐ろしいからと殺されていたんですね。
そしてそうすることは当然のことだと、大勢の人々が考えている。
なんでクマだけが守られなければならないんだ、と理屈を言う。
今はもう、縄文の世ではないのに。
人々は飢えていないし、狩りを常としていないのに。
そんな縄文の世にはあったであろう自然への畏怖の念も抱かずに、自然界のバランスが大きく乱れてしまっていることも感じられずにいる。
一方で、少しだけ明るい面も見られました。
日本の森を資源として守ろう、という新たな動きが保守層から芽生え始め、それを産経新聞も支持してくださりそうなこと。
森が豊かでドングリ等の食べ物が十分あれば、人間が怖いクマはわざわざ里に降りてきません。
どうかそのことをマスコミの方々もしっかりと認識して欲しいと思います。
飼われているクマの前に、ドングリと一緒に蜂蜜とか柿の実を並べ、ドングリを選ばない様子をわざわざ映すなどという愚かなニュース番組を流し続けることは、もう止めにしてください。
くまんちさんが以前、やむにやまれず保護した子グマのふくまつ君。
彼の無邪気な姿を写したポストカードを見ていたら、小学生の頃好んで読んでいたパディントン・シリーズを思い出しました。
あのお話は、戦争から戻った作者が綴ったもの。
パディントンの故郷を「暗黒の地ペルー」と表現していたのが印象的でしたが、日本こそクマにとっての「暗黒の地」となってしまわないように祈ります。
2011年1月11日追記:「日本の森を資源として守ろう、という新たな動きが保守層から芽生え始め、それを産経新聞も支持してくださりそうなこと。」と書きましたが、今朝の社会面には「野生クマへの餌やりは保護か」というタイトルの記事が。
ドングリ運びは餌付け、との立場からドングリ運びの中止を呼びかけているお役所に、産経さんは同調しているように読める内容で残念。
先日、毎日新聞が熊森協会に好意的な記事を載せていたんだな、と気づきましたが、もしかしてこのせい?